花柳はなやぎ)” の例文
「結構な出来だつたね。大阪こちらにはあんな結構な舞があるのに、何だつて花柳はなやぎとか、藤間ふぢまとか東京風の真似ばかりするんだね。」
猿之助の父は段四郎で踊りで名の知れた人、母のことじょ花柳はなやぎ初代の名取なとりで、厳しくしこまれた踊りの上手じょうず。この二人が息子のために舞台前に頑張がんばっている。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
……いえね、いよいよとなれば、私は借着の寸法だけれど、花柳はなやぎ手拭てぬぐいの切立てのを持っていますから、ずッぷり平右衛門で、一時しのぎと思いましたが、いい塩梅あんばいにころがっていましたよ。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
秋の仁和賀にわかにもひけを取らず、座敷へ出ても押されぬ一本、は清元で、ふり花柳はなやぎの免許を取り、生疵なまきずで鍛え上げて、芸にかけたら何でもよし、客を殺す言句もんくまで習い上げた蝶吉だ、さあ来い!
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)