舞楽ぶがく)” の例文
舞楽ぶがくの面を毎日眺めていて、とうとう有名な人相見になったとかいう話を聴いていますが、実際いろいろの人形をながめていると
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
叩頭じぎをしいしい、わざとゆっくり足を運んで、遠目に玄関口をのぞいてみると、正面に舞楽ぶがくの絵をかいた大きな衝立ついたてが立ててあるばかりで、ひっそり閑としずまり返っていた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
自分は彼女と三沢の細君になるべき人との後姿うしろすがたを、舞楽ぶがくの相間相間に絶えず眺めた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
といって、舞楽ぶがく神楽かぐら琵琶びわ、琴と、ある限りのもてなしをして、実定を慰めた。
式は夜になって、終りの舞楽ぶがくがすんだのは、こく(深夜十二時)だった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御供養みくやう東寺とうじ舞楽ぶがくの日を見せて桜ふくなり京の山かぜ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
き鳴らす古き舞楽ぶがくせうふし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
果たして神楽というのか、舞楽ぶがくというのか、わたしにはその区別もよく判らなかったが、とにかくに生まれてから初めてこんなものを見た。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)