自縄自縛じじょうじばく)” の例文
旧字:自繩自縛
自身に対しては「代々の撰集世々の歌仙、詠み残せる風情あるべからず」という自縄自縛じじょうじばくになってしまう。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
のどまでその人の名を洩らしかけたが、邪推ぶかいひもの宅助に、これ以上な気を廻させては、いよいよ自縄自縛じじょうじばくもとを招くばかりと思いなおして、ホ、ホ、ホ、ホ
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうえ、それ自らとして独立した実感を持つにしても、部分と部分との連絡の際に、曲芸を行わない限り自由に進行もできないような自縄自縛じじょうじばくにおちいる危険はありはしまいか。
文章の一形式 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
なんじ提宇子でうす、この段を説く事、ひとえに自縄自縛じじょうじばくなり、まず DSでうす はいつくにも充ち満ちてましますと云うは、真如法性しんにょほっしょう本分の天地に充塞し、六合りくごうに遍満したることわりを、聞きはつり云うかと覚えたり。
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
愚僧呵々かか大笑、たち所に破していわく—『笑止なりやフルコム、自縄自縛じじょうじばくとはこれ汝の返答のことか。もしデウス汝の言のごとくにサピエンチイシモならば、何とて罪に落つべきルシヘルをば造つたぞ。 ...
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
自縄自縛じじょうじばくにがい目にあわせているに違いない。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
身をやぶり、人に迷惑をかけ、その通り自縄自縛じじょうじばくというものに落ちるのだよ。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)