腹慰はらい)” の例文
毎年の元旦に玄関で平突張へいつくばらせられた忌々いまいましさの腹慰はらいせがやっとこさと出来て、溜飲りゅういんさがったようなイイ気持がしたとうれしがった。
彼は其の腹慰はらいせであるかの如く、何処からかまだ子供々々した牝犬めいぬを主人の家に連れ込んだ。如何に犬好きの家でも、牝犬二匹は厄介である。主人は度々牝犬を捨てたが、直ぐ舞戻まいもどって来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
私の煩悶して苦むのは何となく友人等の所為せいのように思われる。で、責めてもの腹慰はらいせに、薄志の弱行のと口を極めて友人等の公然の堕落をののしって、そうして私は独り超然として、内々ないないで堕落していた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)