腐草ふそう)” の例文
しかもその俗語の俗ならずしてかへつて活動する、腐草ふそうほたると化し淤泥おでいはちすを生ずるの趣あるを見ては誰かその奇術に驚かざらん。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ひいらぎバーベリ等の極寒地方ごくかんちほうに生ずる灌木かんぼくは、いやがうえに密生して、荊棘けいきょくみちをふさいでは、うさぎの足もいれまじく、腐草ふそうやまをなしては、しかのすねも没すべく思われた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
はかるに、汝らは腐草ふそう蛍火けいか、明滅みな実なし、いかでわが皎々こうこうたる天上の月照に及ばんや
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)