脳貧血のうひんけつ)” の例文
脳貧血のうひんけつを起した伝吉のやっと穴の外へい出した時には、もうただ芽をふいた桑の根がたに伝三の死骸しがいのあるばかりだった。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
はあん……これは脳貧血のうひんけつですな、ああん、たいしたことはありません、頭寒足熱ですかな、足をあたためて頭を
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
張の怪我したところを調べてみると、それは左の上膊じょうはく(上の腕)を何かでひどく引裂いていた。傷はいやに長く、永く見ていると脳貧血のうひんけつが起りそうであった。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
急にはげしい悪寒おかんおそわれ、気持がへんになった。目の前に、あやしい人影をみとめながら、声をかけようとして声が出ない。脳貧血のうひんけつの一歩手前にいるようでもある。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれの配下たちの中にも、ふたりばかり脳貧血のうひんけつを起こした者があった。それはもっともだ。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのあいだ、さすがのX号も、深刻しんこくな顔つきになって今にも脳貧血のうひんけつを起こしそうになった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その笑い声が、蜂矢の耳から脳をつきとおし、かれは脳貧血のうひんけつをおこしそうになった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)