脱脂綿だっしめん)” の例文
硝子の窓から内部なかのぞいてみると、底にはふくよかな脱脂綿だっしめんしとねがあって、その上に茶っぽい硝子くずのようなものが散らばっている。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして脱脂綿だっしめんに充分吸わせては重吉の唇へもっていった。ちゅうと音を立てて吸っては、ああ、と口を開けて息をつぐ。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
で、葉子は後ろを振り向きもせずに、はしの先につけた脱脂綿だっしめんを氷水の中に浸しては、貞世の口をぬぐっていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
いや、実は今朝けさ、部下のものから報告があったのですが、問題の脱脂綿だっしめんがみつかったのです。それを持っていた人間まで解っています
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ピンセットで採取したものについて簡単な試験をしてみましたところ、それは脱脂綿だっしめんであることが判りました
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その脱脂綿だっしめんは果して屑籠の中にあった。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)