脈絡みゃくらく)” の例文
であるからわれわれは、近い左右前後さゆうぜんごはいつでもあいまいであるけれど、遠い前後とひろ周囲しゅういには、やや脈絡みゃくらく統一とういつがある。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかし全国との脈絡みゃくらくを取る海路として、西の泉州堺は、足利方におさえられていたので、吉野経営には、この伊勢ノ大湊ただ一つが、無二の生命線だった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もちろん生態せいたいの変化には何の脈絡みゃくらくもなく、どこか間がぬけたところがあるかと思うと、まるで子供とは思われぬような、だしぬけに一変する微妙びみょうな神経の動きにドギマギすることがあった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
相変らず、脈絡みゃくらくのない事を言いながら、飛び込んで来る八五郎でした。
もとより、ほんの小城にすぎないが、清洲と長島との脈絡みゃくらくを中断するには、いかにも邪魔じゃまな地点にある。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その脈絡みゃくらくのていどや統一とういつ範囲はんいは、もうすこしたってみねばわからぬが、とにかく一脈絡みゃくらく統一とういつとはじゅうぶんみとめることができる。みょうな変人があったものだ。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)