背負おんぶ)” の例文
ですから貴下を背負おんぶしてあの高い天の御殿などにはもうとてもいかれませんけれども此儘このままにして置いては私の役目が果せませんから、一つ貴下あなたが天に御昇りになれる法をお教へ致します。
子良の昇天 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
ただし、このさきわたしを一つ越さねばならぬで、渡守わたしもり咎立とがめだてをすると面倒じゃ、さあ、おぶされ、と言うて背中を向けたから、合羽かっぱまたぐ、足を向うへ取って、さる背負おんぶ、高く肩車に乗せたですな。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……むかし、手引き背負おんぶした、あっしにとっても、だいじな従妹いとこ
顎十郎捕物帳:15 日高川 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「ね、わたしに背負おんぶをなさいまし、あちらのお家へ帰りましょう」