聯句れんく)” の例文
その一首に、「為惜先生空講道。可嗤豎子漫成名。」〔為ニ惜ム先生ノ空シク道ヲ講ズルヲ/わらフ可シ豎子ノ漫ニ名ヲ成スヲ〕の聯句れんくを見る。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
支那シナ聯句れんくはもとよりのこと、俳諧でも談林派の時代までは、これをただ言葉の続きがらのように、考えるくせが止まなかった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
後年に至って、わたくしは大田南畝おおたなんぽがその子俶ししゅくを伴い御薬園の梅花を見て聯句れんくを作った文をよんだ時、小田原城址じょうしの落梅を見たこの日の事を思出して言知れぬ興味を覚えた。
十六、七のころ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
張園のに桂花をかざしにした支那美人が幾輛となく馬車を走らせる光景。また、古びた徐園の廻廊に懸けられた聯句れんくの書体。薄暗いその中庭に咲いている秋花のさびしさ。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)