老嬢ろうじょう)” の例文
旧字:老孃
あなたの言葉は田舎いなかの女学生丸出しだし、かみはまるで、老嬢ろうじょうのような、ひっつめでしたが、それさえ、なにか微笑ほほえましい魅力でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
この最後の家の前を通り過ぎながら、そこに毎夏のようにいつも同じ二人の老嬢ろうじょうが住まっているのを何んとなく気づかわしげに見やっては
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
乃公は此先生このせんせいが好きだけれども、善ちゃんは彼は老嬢オールドメイドだと言った。老嬢ろうじょうだって構わない。乃公は自分が家に居た頃の話をして聞かせたら、大層同情してくれた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そのヴィラにむかし住んでいた二人の老嬢ろうじょうのことについては爺やも私に何んにも知らせてくれなかった。「ああ、セエモオルさんですか」と言ったきりだった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
の顔は唯今動物と共にノアの箱船から出たばかりでございという顔だそうだ。日曜学校で教わった時に、動物は皆二疋ずつ出て来たと聞いたが、伯母さんは老嬢ろうじょうだから一人で出て来たに相違ない。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私が私の「美しい村」の物語の中にえがいた、二人の老嬢ろうじょうたちのもと住まっていた、あの見棄みすてられた、古いヴィラの話を彼女にして聞かせると、それをしきりに見たがったので
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)