羽根蒲団クッション)” の例文
しかも、そうした疑問を抱きながらも、寝台ベッド羽根蒲団クッションは、相変らずふくふくとして柔らかく、まどかな夢を結ぶには、好適この上もありません。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
屍体は鄭重ていちょうに取り扱われているらしく、函の中は浮出し模様の高貴な白綸子しろりんず風の絹をもって、羽根蒲団クッションのように柔らかく全面に内貼りがしてあった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
穹窿アーチ形の天井から下っている純白しゃのように薄い垂れ幕……ふうわりと眼も醒めんばかりの羽根蒲団クッションが掛けられて、瑪瑙めのう勾欄こうらん……きらびやかな寝台の飾り!
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
二階の北側の一番奥の部屋は、客用の羽根蒲団クッション敷布シーツ、不用の絨毯じゅうたん等の置き場として、現在用いられている。しょっちゅう出し入れするために、鍵がかけられていない。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
私一人はいかにものんびりと口笛でも吹きたいほどの軽い気持で羽根蒲団クッションもたれながら、これから私の前に開けてくるであろう結婚当夜のような楽しい世界を想像して顔をほころばせていたことは
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
そしてこの函もいよいよ三日ばかり前に完全にでき上り、侍女たちは内部に羽根蒲団クッションを縫合すべく、目下全力を注いでいるのでありますが、おそらくこれも明後日くらいにはでき上るでありましょう。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)