美馬みま)” の例文
そうして今でもこの二つの山に石が少いのは、互にわが山の石を投げ尽したからだということであります。(美馬みま郡郷土誌。徳島県美馬郡岩倉村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
桐井角兵衛は罪人の揚屋あがりやを預かり、手代手先の下役を使って、阿波全土の十手を支配している役儀上、いやとはいえないで、すぐに人相書を十数枚複写させ、それを美馬みま海部かいふ板野いたの
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このおわりの祖谷山は、美馬みま郡の土佐に接した山村で、偏鄙へんぴなためにかえって有名な土地であるが、ここまで行渡っているのを見ると、あるいは一度中間の平地にも
阿波の三好みよし美馬みま海部かいふ等の諸郡では、山村いたる処にタフを生産する。是はかじの木の皮または葛や藤の皮を織った麁布あらぬのであると、『阿波志あわし』という書には記している。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)