罪人とがにん)” の例文
ひよつとしたら古い罪人とがにんも良心に立ち返つて、もともと自分のでもない物は返してよこすかもしれないから。
「おしよ! 亭主のあるものをそんな事して、もし私が何して御覧、それこそ私もお前も怖しい……二人が二人、いきちゃいられないような罪人とがにんになるじゃないか。」
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
いや、湯女ゆなのお駒に家を持たせて、屋敷をけがちになってからは、よけいにあの眼が、あの眉が、いつも自分をめまわしている気がした。あたかも司直と罪人とがにんの間のように。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
引摺ひきずられるようにしてお役所へ参り、早々届けに成りました事ゆえ、此の者をくゝし上げまして、其の罪人とがにんを入れ置く処へ入れて置き、翌日お調べというのでお役所へ呼出しになりました時には
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)