絹子きぬこ)” の例文
佐野源七に絹子きぬこという娘がいて、吾八より四つ年下だったが、屋敷うちの誰よりも吾八になつき、朝も晩も彼でなくてはすまぬほど親しみ馴れていた。
麦藁帽子 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
従兄弟同志いとこどうしだから似ているんだろう。郁子いくこさんと、そら、あの絹子きぬこさんとだってく似ているぜ」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「劉夫人と仰有おっしゃらないで……。いじわるサン。絹子きぬこと、なぜ呼んでくださらないの!」
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
此年ことしは夏からの約束で、郷里くに絹子きぬこさんが東京のお正月をする為めに一昨日おとといから来ている。大伯父さんとお祖父さんは兄弟で、双方のお父さんは従兄弟いとこ同志だから、絹子さんと僕は又従姉弟になる。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)