結界けっかい)” の例文
さぎのように風に吹かれてたたずんでいる二人の女性にょしょうがあった。雲母坂きららざかの登り口なのである。ここから先は女人にょにんの足を一歩もゆるさない浄地の結界けっかいとされているのだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
越中立山の口碑では、結界けっかいを破って霊峰に登ろうとした女性の名を、若狭の登宇呂とうろうばと呼んでいる。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「金持は薄情ですね、七里潔灰しちりけっぱい結界けっかい)で」
しぜん尊氏にたいする功罪論の是々非々ぜぜひひだの、その人物を疑惑視する世評もつよく、それが当道の盲人にはとかく胸のわだかまりになっていたので、盲人たちは、ここの結界けっかいをたのんで
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日を以てまつらるる結界けっかいの社に、花摘の名が起ったのだとも説明し得るか知らぬが、一たび他の地方の事例を比較して見ると、根原の必ずしもそう単純でなかったことが窺い知らるるのである。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)