“素湯”の読み方と例文
読み方割合
さゆ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(同妻。)の手巾ハンケチの端を、湯呑に落して素湯さゆいだ、が、なにも言わず、かぶりと飲むと、茶碗酒が得意の意気や、ほっと小さな息をした。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お種はいくらかあおざめて見えた。お仙のすすめる素湯さゆを一口飲んで、両手をひざの上に置きながら、頭を垂れた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こういう歌を大抵の人は、平凡である、稀薄である、素湯さゆを飲むようであると云うのであるが、その淡然たる声調の上に何処ともなく、情緒のにじみが潤い出て居る。
歌の潤い (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)