トップ
>
紛々
>
ごたごた
ふりがな文庫
“
紛々
(
ごたごた
)” の例文
長火鉢の
側
(
そば
)
で
徒然
(
ぽつねん
)
としていると、
半生
(
はんせい
)
の悔しかった事、悲しかった事、
乃至
(
ないし
)
嬉しかった事が、
玩具
(
おもちゃ
)
のカレードスコープを見るように、
紛々
(
ごたごた
)
と目まぐるしく心の
上面
(
うわつら
)
を過ぎて行く。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「放っておくがいい。俺はお上の御用を勤めていりゃいいんだ。お町が可哀想だと思って乗り出したが、——入費は嵩んでも苦しゅうない——てな事を言う武家の
紛々
(
ごたごた
)
なんかに首を突っ込むのは嫌だ」
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし無事に暮したのはわずか一年ばかりで、良人の両親や兄弟までが地方から出て来て同居するようになってから、家内には
紛々
(
ごたごた
)
が絶えず、暮し
向
(
むき
)
も店をしまわなければならぬまでに窮迫して来た。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
跡は両側の子供が又
続々
(
ぞろぞろ
)
と動き出し、
四辺
(
あたり
)
が大黒帽に
飛白
(
かすり
)
の
衣服
(
きもの
)
で
紛々
(
ごたごた
)
となる中で、私一人は
佇立
(
たちどま
)
ったまま、茫然として
轅棒
(
かじぼう
)
の先で子供の波を押分けて行くように見える車の影を見送っていた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
此処で又
紛々
(
ごたごた
)
と入乱れ重なり合って、腋の下から
才槌頭
(
さいづちあたま
)
が
偶然
(
ひょっ
)
と出たり、
外歯
(
そっぱ
)
へ肱が
打着
(
ぶつ
)
かったり、靴の
踵
(
かかと
)
が
生憎
(
あいにく
)
と
霜焼
(
しもやけ
)
の足を踏んだりして、上を下へと
捏返
(
こねかえ
)
した揚句に、ワッと
門外
(
もんそと
)
へ押出して
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
々
3画
“紛々”で始まる語句
紛々然
紛々擾々
紛々濛々
紛々翩々
紛々若々