ちゅう)” の例文
いま曹操を討つのを、誰が無名のいくさとそしりましょうぞ。武王のちゅうを討ち、越王えつおうの呉を仆す、すべて時あって、変に応じたものです。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いんちゅう王にいたって無道であったため、周の武王がこれを伐ち、天命をうけて天子となったが、その時、武王は天帝に誓っていわれた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
主君のちゅうを討つ時、彼らは父が死んでほうむらぬ間に干戈かんかを起すは孝行でなく、臣が君をしいするは仁でないといって武王をいさめたが用いられなかった。
真の愛国心 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これを治道にたとうれば、なお聖王の後、けつちゅうを出すがごとし。それ邦の王を立つる、民を保するがためなり。しかして桀・紂のさかしまあり。人の教を立つるは世を救うゆえんなり。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
「昔武王は、ちゅうを討って、初めに歌い、後に舞ったという。武王の兵は、仁義の兵でなかったか。ばか者っ、退しりぞけ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
微子びし箕子きし比干ひかんは共にいんちゅう王の無道を諌めた。微子は諌めてきかれず、去って隠棲した。箕子は諌めて獄に投ぜられ、奴隷となった。比干は極諌して死刑に処せられ、胸をかれた。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)