筒先つつさき)” の例文
が、にんじんは、本能的に、もう一歩前へ踏み出し、銃を肩につけ、筒先つつさきを押しつけるようにして、ぶっ放した。灰色のたまは、地べたへめり込んだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
この上は問題の尾白を見つけ次第に、自分の筒先つつさきで撃ち留めるよりほかはなかった。自分の腕ならば、おそらく仕損じはあるまいという自信もあった。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その国の北信濃は戸狩とがり村、俗に、花火村ともよぶ部落の煙火師生活のなかに起った恋愛戦で、煙火師だけに、恋仇こいがたきの首を花火の筒先つつさきから打ちあげてしまって、同時に、女の生命いのちも自分の生涯も
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういって、彼は、そのひたいに猟銃の筒先つつさきを押しあてる。そして火蓋ひぶたを切る。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
岩のかげへ身をくっして片足かたあしをおって、短銃たんじゅう筒先つつさきをキッとかまえた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
種子島たねがしま筒先つつさきを、秀吉ひでよし背骨せぼねへピタリとねらいつけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)