笠縫かさぬい)” の例文
四極しはつ山、笠縫かさぬい島は参河みかわという説と摂津という説とあるが、今は仮りに契沖以来の、参河国幡豆はず郡磯泊(之波止シハト)説に従って味うこととする。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
近江の笠縫かさぬいの天神様は、始めてこの村の麻畠あさばたけの中へお降りなされた時、麻で目を突いてひどくお痛みなされた。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大神宮様が大和の国笠縫かさぬいの里からこの伊勢の国五十鈴川いすずがわのほとりへおうつりになった時、そのお馬について来た「はえ」が今の拝田村の中の一部落の先祖だということであります。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
種々雑多の職人、例えば筆結ふでゆい墨師すみし弓矢師ゆみやし絃師つるし襖師ふすまし表具師ひょうぐし土器師かわらけし焼物師やきものし笠縫かさぬい簑作みのつくり石切屋いしきりや左官さかん櫛挽くしひき蝋燭屋ろうそくやなども、みな穢多の支配の下におったものだと言っております。