わろ)” の例文
「そら行ってもかめへん。」主人はそないいいまして「校長さん怒るぜエ」いうてわろてましてん。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あるときはその象牙ぞうげのはしから話しかけてみると、なるほど下女のいうごとく、かれががんじょうな顔にしろりとわらいをうごかした。しかしこれもわろうたきりで、それ以上いじょうには、なんの話もせぬ。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
電話口でそない仲居さんがいうてるのんが何や知らんけったいですのんで、「今の電話、徳光さんとこから違いますか?」いいましたら、「そうだす」いうてクスクスわろてるのんです。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「うち直接には知らんけど、あの人えらいシャンやいわれて、みんなが騒ぐのんやてなあ、あんたみたいに綺麗かったら一緒に歩いててもちょうどええけど」いうて意味ありげにわろてるさかい
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)