立会たちあ)” の例文
旧字:立會
しかしことさらに主人が立会たちあふほどの事ではない。そのやしき三太夫さんだゆうが、やがてくわを提げたじいやを従へて出て、一同えんじゅの根を立囲たちかこんだ。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
頭巾をとけば禁教者とみなされ、月代さかやきをのばし笄を抜きすてれば、イサベラ様の臨終の枕元で、七家のしゅう立会たちあいで誓わせられたとおり、龍耳りゅうじ老人の暗殺の手が下ります。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
引おろして見ると、最早息も絶え、氷のように冷たくなって居りますが、懐中にお竹にあてて書いた、なまめかしい恋文を十六本も持っていたのは、立会たちあいの衆を驚かせました。
月番つきばん町年寄まちどしより立会たちあいの上で、おろおろしている伊豆伍夫婦にお上の一書を渡した。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
したがつて「ありべからざる事」などといふ不思議な出来事ではないかも知れませんが、前にも申上げました通り、わたくし自身が現在立会たちあつたのでございますから、嘘や作り話でないことだけは
立会たちあう“横目よこめ
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)