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くうそ
ふりがな文庫
“
空疎
(
くうそ
)” の例文
それにともなう
空疎
(
くうそ
)
な
饒舌
(
じょうぜつ
)
とは、どこか人をぼうっとさせるような、わきへつれて行くようなものをもっていた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
増上寺の五重の塔を見上げたり、
伽藍
(
がらん
)
の横の松の樹を撫でて見たり、塀のそばに近づいて見たりしながら、唖は、
空疎
(
くうそ
)
に、
鈍々
(
どんどん
)
とした歩調で、御霊廟の裏へ曲がって行く。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
心の秩序を度外視してどのように外面の秩序を整えたにしても
空疎
(
くうそ
)
である。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
かれがこれまで
信奉
(
しんぽう
)
もし、
実践
(
じっせん
)
にもつとめて来た、友愛・正義・自主・自律・創造、といったような、社会生活の基本的
徳目
(
とくもく
)
は、今のかれには、全く力のない、
空疎
(
くうそ
)
な言葉の
羅列
(
られつ
)
でしかなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
しぜん幕府も自己の立場も
空疎
(
くうそ
)
なものに浮いてしまう。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“空疎”の意味
《名詞》
外見だけで内容や実質が伴わないこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
疎
常用漢字
中学
部首:⽦
12画
“空”で始まる語句
空
空地
空虚
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空手