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硬張
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こはば
ふりがな文庫
“
硬張
(
こはば
)” の例文
石川孫三郎の顏は
硬張
(
こはば
)
りました。何と言はうと、どう
誤魔化
(
ごまか
)
さうと、この
惡戯
(
いたづら
)
は、屋敷内に住んでゐる者の
仕業
(
しわざ
)
でなければなりません。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
達二はどこ
迄
(
まで
)
も夢中で追ひかけました。そのうちに、足が何だか
硬張
(
こはば
)
って来て、自分で走ってゐるのかどうか
判
(
わか
)
らなくなってしまひました。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ところが、阪神の香櫨園の駅まで来ると、海岸の方から
仮面
(
めん
)
のやうに表情を
硬張
(
こはば
)
らせて歩いて来る修一とぱつたり出会つた。
六白金星
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
「たいへん、寒い……」と、てれ隱すやうに日本語を呟いて、女は
硬張
(
こはば
)
つた作り笑ひをその
澤
(
つや
)
のない顏に浮べた。
ハルピンの一夜
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
顔中の皮膚が
硬張
(
こはば
)
つて、
頬
(
ほ
)
つぺたが妙に突つ張りでもするやうな不愉快な気持でゐた。
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
▼ もっと見る
と、老人は口ごもりつつ、仮面のやうに、
硬張
(
こはば
)
つた顔を取り外して
大凶の籤
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
平次は
碎
(
くだ
)
けた調子でさう言つて、ひどく
硬張
(
こはば
)
つて居る相手の女の表情をほぐしてやらうとするのでした。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の調子が改つたので、主人峰右衞門も思はず引入れられるやうに、
硬張
(
こはば
)
つた表情をします。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は多勢の眼に迎へられて、明るい店に入りながら、一應八方へ氣を配つて見ましたが、唯もうこの事件に
顛倒
(
てんだう
)
してしまつた人達の、
硬張
(
こはば
)
つた顏からは、何んにも讀み取りやうはありません。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
姉に似ぬ美しい顏を
硬張
(
こはば
)
らせて、そのつぶらな眼をしばたゝくのです。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蒼白い顏を
硬張
(
こはば
)
らせて、何んにも言はうとはしません。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
妙な睨み合ひ、——空氣は次第に
硬張
(
こはば
)
るばかりです。
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お幾は少し顏を
硬張
(
こはば
)
らせます。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
硬
常用漢字
中学
部首:⽯
12画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“硬”で始まる語句
硬
硬直
硬化
硬骨
硬玉
硬過
硬炭
硬口蓋
硬相
硬苦