石膏せきかう)” の例文
白い仕事着を着たあご鬚のある、年若としわかな、面長おもながな顔の弟子らしい人と男達の話して居る間に、自分は真中まんなかに置かれた出来上らない大きい女の石膏せきかう像を見て居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
モデル臺、石膏せきかう胸像きようぞう、それから佛蘭西ふらんす象徴派しやうちやうはの名畫が一まいと、伊太利いたりーのローマンス派の古畫こぐわ摸寫もしやしたのが三枚、それがいづれも金縁きんぶちがくになつて南側の壁間かべ光彩くわいさいを放つてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
私は「あした石膏せきかうを用意して来よう」
イギリス海岸 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
右の方の一戸は商会に成つて居て門をはひつたない玄関の上にリユウバンスの石膏せきかう像が据ゑられて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)