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せきかう
白い仕事着を着た
頤鬚のある、
年若な、
面長な顔の弟子らしい人と男達の話して居る間に、自分は
真中に置かれた出来上らない大きい女の
石膏像を見て居た。
モデル臺、
石膏の
胸像、それから
佛蘭西の
象徴派の名畫が一
枚と、
伊太利のローマンス派の
古畫を
摸寫したのが三枚、それが
何れも
金縁の
額になつて南側の
壁間に
光彩を放つてゐる。
右の方の一戸は商会に成つて居て門を
入つた
内玄関の上にリユウバンスの
石膏像が据ゑられて居た。