“石膏像”の読み方と例文
読み方割合
せっこうぞう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まず、片手の石膏像せっこうぞう。これは、ヴィナスの右手。ダリヤの花にも似た片手、まっしろい片手、それがただ台上に載っているのだ。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼らは石膏像せっこうぞうのような硬い仮面をふり向けてわずかにその濁った眼を動かす、なんという気味悪い顔であろう、説明しようのない罪悪の匂いが見る者を強くうつ
蛮人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
引き上げてみると、それは外ならぬ赤沢博士の屍体だった。全身は真白に氷結し、まるで石膏像せっこうぞうのようであったが、その顔には恐怖の色がアリアリと見えていた。
人間灰 (新字新仮名) / 海野十三(著)