眇目めつかち)” の例文
眇目めつかちの東川も、意地惡い興味を覺えた樣な顏をして、默つてそれを眺めた。秋野は煙管の雁首を見ながら煙草を喫んでゐる。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
跛足で眇目めつかちで、自分の身體一つしか持つてないこの男が、名主の祕藏娘に懸想けさうするとは、物事が少しどうかして居ります。
眇目めつかちの東川も、意地悪い興味を覚えた様な顔をして、黙つてそれを眺めた。秋野は煙管の雁首がんくびを見ながら煙草をんでゐる。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「不幸中の幸ひで、眇目めつかちにならずに濟みましたが、得物は内儀の時の薄刄と違つて、かんざしのやうなもので突いたさうです」
その若者が何彼なにか冷評ひやかしかけるのを、眇目めつかちの重兵衞が大きい眼玉を剥いて叱り附けた。そして、自分一人夜更まで殘つた。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
輕口の上手で、眇目めつかち跛者びつこで、見るかげもない男ですが、使ひやうによつては、成程調法な男かもわかりません。
その若者が何彼なにか冷評ひやかしかけるのを、眇目めつかちの重兵衛が大きい眼玉をいて叱り付けた。そして、自分一人夜更まで残つた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
八五郎の頭には、初めて智慧がひらめきました。曲者はこの跛足びつこ眇目めつかちの、不景氣な巾着切の外にはありません。
その外に遠い親戚だという眇目めつかちな男がゐた。警察の小使をした事があるとかで、夜分などは「現行警察法」といふ古い本を繙いてゐる事があつた。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
まだ三十五六といふのに、眇目めつかち跛足びつこで、虫喰ひ頭の禿はげちよろで、まことに見る影もない男だつたのです。
ケロリとして居ましたよ、尤も、跛者びつこ眇目めつかちのくせに、一と頃はお孃さんに夢中になつて、隙見を
其一軒は、ひがしといつて、眇目めつかちの老人の頑固つむじまがりが村人の気受に合はなかつた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
幇間だいこも兼ねてゐる、跛者びつこ眇目めつかちで、リゴレツトに丁髷ちよんまげを結はせたやうな中年者でした。
なか/\のお世辭ですが、眇目めつかちで、跛足びつこで少し傴僂せむしで、まことに見る影もありません。
「何んだえ、その一と目千兩といふのは。眇目めつかちが千兩箱の夢でも見たと言ふのか」