“相若”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいし50.0%
あひし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
剣客の剣を舞わすに、力相若あいしくときは剣術は無術と同じ。彼、これを一籌いっちゅうの末に制する事あたわざれば、学ばざるものの相対して敵となるに等しければなり。人をあざむくもまたこれに類す。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
諸陵寮の小さい応接所おうせつじょで、わたくしは初めて外崎さんに会った。飯田さんの先輩であったとは違って、この人はわたくしとよわい相若あいしくという位で、しかも史学を以て仕えている人である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そして青年者せいねんしやは真に榛門に移つた。しかし年歯の榛軒と相若あひしくものは、さきより友として相交つてゐたので、其関係は旧に依つた。枳園の如きは其一人である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
然るに鳥と魚とは力相若あひしくものなりければ、鳥は魚を擧ぐること能はず、魚は鳥を沈むること能はず、打ち込みたる爪の深かりしために、これを拔かんとするも、亦意の如くならず。