“一籌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっちゅう71.4%
いつちう28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奇抜という点からいえば、一茶に一籌いっちゅうせねばならぬけれども、食われ残りの鴨よりは、食い残されて春に逢う菜の花の方に真のあわれはあるのである。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
しかし身のたけ六尺五寸、体重三十七貫と言うのですから、太刀山たちやまにも負けない大男だったのです。いや、恐らくは太刀山も一籌いっちゅうするくらいだったのでしょう。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、いつも彼女には一籌いつちうを輸する外はなかつた。彼女は実に去年の嘘をも五分前の嘘のやうに覚えてゐた。
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
フロオベエル以前の唯一のラルテイストだつたメリメエさへスタンダアルに一籌いつちうしたのはこの問題に尽きてゐるであらう。僕が谷崎潤一郎氏に望みたいものは畢竟ひつきやう唯この問題だけである。