相々傘あひ/\がさ)” の例文
いや最初からおいと長吉ちやうきちよりも強かつた。長吉ちやうきちよりもはるか臆病おくびやうではなかつた。おいと長吉ちやうきち相々傘あひ/\がさにかゝれてみんなからはやされた時でもおいとはびくともしなかつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あらゆる記憶の数々かず/\が電光のやうにひらめく。最初地方町ぢかたまちの小学校へ行くころは毎日のやうに喧嘩けんくわして遊んだ。やがてはみんなから近所の板塀いたべい土蔵どざうの壁に相々傘あひ/\がさをかゝれてはやされた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)