盆茣蓙ぼんござ)” の例文
ましてあの娘は重たい島田を振立てて壺を振りまする以上、鉢巻を致しておりませぬ事には、第一、盆茣蓙ぼんござの景気が立ちませぬ
「權次はやくざ附き合ひをして、評判の惡い男だつた。なんか盆茣蓙ぼんござの間違ひぢやあるまいか」
じつア盆茣蓙ぼんござのまちがいから土地を売り、ひと頃、滄州そうしゅう柴進さいしん旦那にかくまわれておりました。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度今から三年前、おれが盆茣蓙ぼんござの上のきから、江戸を売つた時の事だ。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そして、盆茣蓙ぼんござの開帳される筈になっている場所や、時間を、詳しく教えた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
盆茣蓙ぼんござを取巻いて円陣を作った人々の背後うしろに並んだ酒肴さけさかな芳香においが、雨戸の隙間からプンプンと洩れて来て、銀之丞の空腹すきばらを、たまらなくえぐるのであった。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「権次はやくざ付合いをして、評判の悪い男だった。なんか盆茣蓙ぼんござの間違いじゃあるまいか」