百日咳ひゃくにちぜき)” の例文
存分酒を飲まされた一寸法師は、やがて、そこへ横様よこざまほうり出された。彼は丸くなって、百日咳ひゃくにちぜきの様に咳入せきいった。口から鼻から耳から、黄色い液体がほとばしった。
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
春の風には百日咳ひゃくにちぜき黴菌ばいきんが何十万、銭湯には、目のつぶれる黴菌が何十万、床屋には禿頭とくとう病の黴菌が何十万、省線の吊皮つりかわには疥癬かいせんの虫がうようよ、または、おさしみ、牛豚肉の生焼けには
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
小石川富坂こいしかわとみざか源覚寺げんかくじにあるお閻魔様えんまさまには蒟蒻こんにゃくをあげ、大久保百人町おおくぼひゃくにんまち鬼王様きおうさまには湿瘡しつのお礼に豆腐とうふをあげる、向島むこうじま弘福寺こうふくじにある「いし媼様ばあさま」には子供の百日咳ひゃくにちぜきを祈って煎豆いりまめそなえるとか聞いている。