白茄子しろなす)” の例文
さびしくつた、青道心のじじいの頭は、ぶくりと白茄子しろなすが浮いたやうで、川幅は左右へひらけ、船は霧に包まれた。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
良人の左がわの耳のうしろに赤小豆あずきほどのいぼがある。どういう機会にかそれをみつけてから気になってしかたがない。それで或るとき白茄子しろなすへたでこすると取れるということをそれとなく申上げた。
日本婦道記:桃の井戸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「いつも俺が、かばってやるのを、忘れたのか。白茄子しろなすめ!」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)