カサ)” の例文
かせはこせなどゝ通じて、やがて又カサ・くさなどゝも同根の皮膚病の汎称です。此をとりに来るのは、人や田畠の悪疫を駆除する事になるのです。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
遭難後二三日すると、頭一面にカサのできたわらしの手を引いて、嬶が泣く泣くやってきた。帳場に会ってしきりに何かくどくどと訴えているらしい姿がとおくから見られた。
鰊漁場 (新字新仮名) / 島木健作(著)
またあるいはカサをカサとも感ずる。すなわちその海藻がカサブタのような形ではないかとも想像する人がないとも限らない。また重なることもカサというからあるいはそれを重畳の意味にとらんでもあるまい。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)