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痲痺
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しび
ふりがな文庫
“
痲痺
(
しび
)” の例文
そうして師匠の慈愛が、自分のほんとうに生きやうとする心の
活
(
はた
)
らきを一時でも
痲痺
(
しび
)
らしてゐた事にあさましい呪ひを持つやうな時さへ來た。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
彼女の心から
一刹那
(
いっせつな
)
悲しみの影が消え去った。身も心も
痲痺
(
しび
)
れようとした。「死んでもよい」という感情が、人の心へ起こるのは、実にこういう瞬間である。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
圭一郎は濟まない氣持で手紙をくしや/\に丸め、火鉢の中に
抛
(
はふ
)
り込んだ。燒け殘りはマッチを摺つて痕形もなく燃やしてしまつた。彼の心は冷たく
痲痺
(
しび
)
れ石のやうになつた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
私はそれを
聴
(
き
)
くと
一時
(
ひととき
)
に
手腕
(
うで
)
が
痲痺
(
しび
)
れたようになって、そのまま両手に持っていた
茶碗
(
ちゃわん
)
と箸を膳の上にゴトリと落した。一と口入れた御飯が、もくし上げて来るようで
咽喉
(
のど
)
へ通らなかった。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
法水の超人的な解析力は、今に始まったことではないけれども、瞬間それだけのものを組み上げたかと思うと、馴れきった検事や熊城でさえも、脳天がジインと
痲痺
(
しび
)
れゆくような感じがするのだった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
足が耐へられぬ程
痲痺
(
しび
)
れて來た。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
運八はいよいよ
激昂
(
げっこう
)
し肩へ掛けた手へ力を入れた。と、その手がにわかに
痲痺
(
しび
)
れ不意に老婆が顔を上げた。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
で梶子は体中の血が熱く燃えて胸を
搏
(
う
)
ち、体中の肉がうずき
痲痺
(
しび
)
れ、眠るどころではないのであった。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
折よく拙者来合わせて、貴殿をお呼びしたればこそ、このように
生命
(
いのち
)
があるものの、
迂濶
(
うかつ
)
にさわりでもなされたなら、身体
痲痺
(
しび
)
れ血凍り
彼奴
(
きゃつ
)
の餌食となるところでござった
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
痲
漢検1級
部首:⽧
13画
痺
漢検1級
部首:⽧
13画
“痲痺”で始まる語句
痲痺剤
痲痺薬