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疎通
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そつう
ふりがな文庫
“
疎通
(
そつう
)” の例文
なつかしいという形のない心は、お互いのことばによって
疎通
(
そつう
)
せらるる場合が多いが、それは尋常の場合に属することであろう。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は自分とお
糸
(
いと
)
の
間
(
あひだ
)
にはいつの
間
(
ま
)
にか
互
(
たがひ
)
に
疎通
(
そつう
)
しない感情の相違の生じて
居
(
ゐ
)
る事を
明
(
あきら
)
かに知つて、
更
(
さら
)
に深い
悲
(
かなし
)
みを感じた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それから従来の
冬籠
(
ふゆごも
)
りの連中との間の、意志と、感情との
疎通
(
そつう
)
ぶりを考えてみると、どうも安んぜられないものがある。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
口をきくたびに意思の
疎通
(
そつう
)
を欠く恐れがあるし、江戸では見かけたこともない
厳
(
いか
)
つい浅黄うらばかりがワイワイくっついているので、小突かれた日にぁ生命があぶない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
単に鼻を
嗅
(
か
)
ぎ合うとか、
尾
(
お
)
を
振
(
ふ
)
り合うとか、目をちょっと見合すとかいうだけで、
相互
(
そうご
)
の意志が完全に
疎通
(
そつう
)
するのに、人間は
廻
(
まわ
)
りくどく長たらしい会話をして、しかもなお容易に意志を通じ得ない。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
“疎通”の意味
《名詞》
疎通(そつう)
支障なく通じること。
意思などがよく通ずること。
(出典:Wiktionary)
疎
常用漢字
中学
部首:⽦
12画
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“疎通”で始まる語句
疎通口