田宮たみや)” の例文
するとそこへ移ってから、まだ一週間も経たないある夜、もうどこかで飲んだ田宮たみやが、ふらりと妾宅へ遊びに来た。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
次に田井たゐの中比賣、次に田宮たみやの中比賣、次に藤原の琴節ことふし郎女いらつめ、次に取賣とりめの王、次に沙禰さねの王七柱。
町同心まちどうしん田宮たみや様ならば、もうあちらに詰めておいでになる、取次いでやろうか」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其の時菊五郎はおいわ田宮たみや若党わかとう小平こへい、及び塩谷えんや浪人佐藤与茂七さとうよもしちの三役を勤めたが、お岩と小平の幽霊は陰惨を極めたもので、当時の人気に投じて七月の中旬から九月まで上演を続けた。
幽霊の衣裳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「あの白犬が病みついたのは、——そうそう、田宮たみや旦那だんなが御見えになった、ちょうどそのくる日ですよ。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここにその任命を公表すれば、桶屋おけやの子の平松ひらまつは陸軍少将、巡査の子の田宮たみやは陸軍大尉、小間物こまもの屋の子の小栗おぐりはただの工兵こうへい堀川保吉ほりかわやすきち地雷火じらいかである。地雷火は悪い役ではない。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
牧野まきのはその二三日すると、いつもより早めに妾宅へ、田宮たみやと云う男と遊びに来た。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)