生胴いきどう)” の例文
いつぞや大菩薩峠の上で生胴いきどうためしてその切味きれあじに覚えのある武蔵太郎安国のきたえた業物わざものを横たえて、門弟下男ら都合つごう三人を引きつれて、いざ出立しゅったつ間際まぎわ
まゆはあがり、髪はみだれ、気息はあらく炎のよう——手には幾多の生胴いきどうをかけた血あぶらのうく直刃すぐはの一刀。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おお、造作のないこと。では久し振りに、生胴いきどうで拙者の戒刀の斬れ味を、御方にお目にかけようか」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「年とった巡礼が一人、生胴いきどうをものの見事にやられたと甲州から来た人のもっぱらのうわさでござりまする」