生水なまみず)” の例文
彼はその目的で、チブス菌のいそうなものをしきりに細君にべさせました。『亜米利加アメリカ人は食事の時に生水なまみずを飲む、水をベスト・ドリンクだと云って賞美する』
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
悲愴パセティックシンフォニー」がモスコーで演奏された日チャイコフスキーの不慮の死は伝えられた。一部に自殺説もあったが実際には生水なまみずを飲んでコレラにかかったためであった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
ゆっくりしてかえったので親の生前せいぜんにあうことが出来ず、その罰で今も日に三どずつ生水なまみずを吐いて、ひもじい思いをしているが、雀ははたごしらえをしていた苧桛おがせを首にかけたまま
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「未熟の果物と生水なまみずは道中特に慎むように言われて来たんでね」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それから生水なまみずも飲む。良い空気は吸いたいだけ吸う。