がめ)” の例文
井戸水は塩分を多分にふくんで、顔を洗うと、ちょっと舌が塩っぱかった。水は二階のはんどがめの中へ、二日分位み入れた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「よかろう。では、わしは手土産てみやげでもげるとしよう。亭主、大がめに酒を詰め、牛肉二十斤、鶏一トつがい、あの小舟のうちへ積んどいておくれ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ななえの鮒の子は庭の水がめに泳いでゐて、それを眺めてゐるのは何のためなのか、生きたちひさな生きものの泳ぐのが面白いのか、そこから何を見ようとするのか
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)