瓦器かわらけ)” の例文
屏風びょうぶの陰に用い慣れた寄木よせきの小机を置く。高岡塗たかおかぬり蒔絵まきえ硯筥すずりばこは書物と共に違棚ちがいだなに移した。机の上には油をした瓦器かわらけを供えて、昼ながらの灯火ともしびを一本の灯心とうしんける。灯心は新らしい。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところがその村に瓦師あり、先に瓦器かわらけを商主に贈った。今彼去らんとすと聞き、その婦これにいて、君も見送りに往って礼物を貰うがよい、上げたのはわずかの物だが先方は憶え居るだろといった。