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玫瑰
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まいかい
ふりがな文庫
“
玫瑰
(
まいかい
)” の例文
支那では
玫瑰
(
まいかい
)
は園中の物であるらしく、花の艶麗ははるかに蔓荊にすぐれているが、われわれの間ではかつて野生の境遇を出たことがないようである。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
玫瑰
(
まいかい
)
の芳烈なる
薫
(
かおり
)
か、ヘリオトロウプの艶に仇めいた
移香
(
うつりが
)
かと想像してみると、昔読んだままのあの物語の記憶から、
処々
(
しょしょ
)
の忘れ難い句が、念頭に浮ぶ。
『新訳源氏物語』初版の序
(新字新仮名)
/
上田敏
(著)
が、国を憂うる心は髪に
挿
(
さ
)
した
玫瑰
(
まいかい
)
の花と共に、一日も忘れたと云うことはない。その
明眸
(
めいぼう
)
は笑っている時さえ、いつも長い
睫毛
(
まつげ
)
のかげにもの悲しい光りをやどしている。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
海岸を歩けば、
帆立貝
(
ほたてがい
)
の
殻
(
から
)
が山の如く積んである。浅虫で食ったものゝ中で、帆立貝の柱の
天麩羅
(
てんぷら
)
はうまいものであった。海浜随処に
玫瑰
(
まいかい
)
の花が紫に咲き乱れて汐風に
香
(
かお
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
薔薇
(
ばら
)
の
玫瑰
(
まいかい
)
(日本の学者はハマナシ、すなわち誤っていうハマナスを
玫瑰
(
まいかい
)
としていれど、それはむろん誤りである)も同国人に
貴
(
とうと
)
ばれ、その花に
佳香
(
かこう
)
があるので茶に入れられる。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
玫瑰
(
まいかい
)
の茶を
啜
(
すす
)
りながち、余君穀民が局票の上へ健筆を振うのを眺めた時は、何だか御茶屋に来ていると云うより、郵便局の腰掛の上にでも、待たされているような
忙
(
いそがわ
)
しさを感じた。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“玫瑰”の意味
《名詞》
中国で産出される美石の一種。
浜梨(はまなし)の漢名。
(出典:Wiktionary)
玫
漢検1級
部首:⽟
8画
瑰
漢検1級
部首:⽟
14画
“玫瑰”で始まる語句
玫瑰花
玫瑰露