献酬やりとり)” の例文
旧字:獻酬
菊池君から四人目、恰度私と向合むかひあつて居て、芸妓を取次に二三度盃の献酬やりとりをした日下部君は、時々此方こつちを見て居たが、遂々盃を握つて立つて来た。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
されど熊は次第しだいなれ可愛かあいくなりしと語るうち、主人は微酔ほろゑひにて老夫らうふにむかひ、其熊は熊ではなかりしかと三人大ひに笑ひ、又酒をのませ盃の献酬やりとりにしばらく話消はなしきえけるゆゑしひ下回そのつぎをたづねければ
あつらえのさかなの来るあいだに二人は差し向いで猪口の献酬やりとりを始めた。
半七捕物帳:03 勘平の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)