物我ぶつが)” の例文
主客しゅかくは一である。しゅを離れてかくなく、客を離れて主はない。吾々が主客の別を立てて物我ぶつがきょうを判然と分劃ぶんかくするのは生存上の便宜べんぎである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
〔譯〕物我ぶつがたいは即ち是れ仁なり。我れ公情こうじやうつて以て公事を行ふ、天下服せざる無し。治亂ちらんは公と不公とに在り。しう子曰ふ、おのれに公なる者は人に公なりと。伊川いせん公理こうりを以て仁の字をしやくす。