片贔屓かたひいき)” の例文
「ふむ、その貴殿の父上であるが、その際仲裁をしようともせずに、黙っていたということでござる! いやいや藤井右門の説へ、片贔屓かたひいきをしたということでござる。拙者父より承った」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
遣せしなり夫を不義者などと申ふらせし段不埓ふらち千萬なりと大いにしかられしゆゑ吾助は喜内の心を知らねば片贔屓かたひいきなる仕方しかたと深く喜内をうらみつゝ此返報このへんぱうは今に思ひ知すべしと爰に於て喜内を殺し恨みを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
睨み隨分ずゐぶんしばらつしやい私はやせてもかれても三石八斗八升の御田地でんぢもち水呑村の三五郎と云殿樣の御百姓で御座りますはゞかりながら然樣さやういふうしろぐらい片贔屓かたひいきな御さばきは見た事が御座らぬと云うにぞ理左衞門堪へ兼イヤかれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)