さかり)” の例文
焔は忽ちさかりなり、とみれば、また、かつがつうちしめて滅し去る、怪みて人に問へば、これおの/\わが家の悲しき精霊しやうりやうの今宵ふたたび冥々の途に就くをいた
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
夜はいとあかけれど、強く寒き風はたちまち起りぬ。まさに没せんとする日はさかりなる火の如く、天をば黄金色わうごんしよくならしめ、海をば藍碧色らんぺきしよくならしめ、海の上なる群れる島嶼たうしよをば淡青たんせいなる雲にまがはせたり。
ヴエスヴイオ山 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
夜はいとあかけれど、強く寒き風は忽ち起りぬ。まさに沒せんとする日はさかりなる火の如く、天をば黄金色ならしめ、海をば藍碧色ならしめ、海の上なる群れる島嶼たうしよをば淡青なる雲にまがはせたり。