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煤竹
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すすたけ
ふりがな文庫
“
煤竹
(
すすたけ
)” の例文
弁信が鈴慕の一曲を聞き終って、ホッと息をついた時に、天井の
煤竹
(
すすたけ
)
の
簀子
(
すのこ
)
から、自在竹を伝ってスルスルと下りて来たピグミーがありました。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その石と石との間に
羊歯
(
しだ
)
の若葉がひろがっている。
煤竹
(
すすたけ
)
の濡縁の前に、
朴訥
(
ぼくとつ
)
な丸石の手洗鉢があり、美男かつらがからんで、そこにも艶々した新しい葉がふいている。
二つの庭
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
飛白
(
かすり
)
の筒袖羽織、
禿
(
ち
)
びた
薩摩下駄
(
さつまげた
)
、
鬚髯
(
ひげ
)
もじゃ/\の彼が
風采
(
ふうさい
)
と、
煤竹
(
すすたけ
)
色の被布を着て痛そうに
靴
(
くつ
)
を
穿
(
は
)
いて居る白粉気も何もない女の
容子
(
ようす
)
を、
胡散
(
うさん
)
くさそうにじろじろ見て居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
人声が
賑
(
にぎ
)
やかなので、往って見ると、
久
(
ひさ
)
さんの家は
何時
(
いつ
)
の間にか解き
崩
(
くず
)
されて、
煤
(
すす
)
けた
梁
(
はり
)
や
虫喰
(
むしく
)
った柱、黒光りする大黒柱、屋根裏の
煤竹
(
すすたけ
)
、それ/″\
類
(
るい
)
を分って積まれてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
“煤竹”の解説
煤竹(すすだけ)とは、古い藁葺き屋根民家の屋根裏や天井からとれる竹のこと。100年から200年以上という永い年月をかけ、囲炉裏の煙で燻されて自然についた独特の茶褐色や飴色に変色しているのが特徴。煙が直接当たっている部分は色濃く変色しているが、縄などが巻かれて直接煙が当たらなかった部分は変色が薄く、ゆえに1本の竹に濃淡が出て美しい表情をもつ。昨今は煤竹そのものの数が希少傾向にあり、価格は1本で数十万円以上することも普通である。
(出典:Wikipedia)
煤
漢検準1級
部首:⽕
13画
竹
常用漢字
小1
部首:⽵
6画
“煤竹”で始まる語句
煤竹色
煤竹売
煤竹筒