焼殺やきころ)” の例文
碧梧あおぎりこずえが枝ばかりになり、芙蓉ふようはぎ雞頭けいとうや、秋草あきぐさの茂りはすっかり枯れしおれてしまったので、庭中はパッとあかるく日が一ぱいに当って居て、かつて、小蛇蟲けらを焼殺やきころした埋井戸うもれいどのあたりまで
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼の為にさんざんせめさいなまれ、最後には、焼殺やきころされようとさえした畑柳倭文子は、危く難をのがれて、元の無事平穏な生活に帰った。目出度めでたし、目出度しである。誰しもそれを疑わなかった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)